体験記
「熱闘天敵バスターズ」ができるまで|AIと作ったバッティングゲームの制作記録
この記事の結論
- 「100エーカーの森みたいなゲーム」という一言から、カカポと天敵たちのバッティングゲームが生まれた
- 遊び方は「タイミングだけ」にしぼって、かんたんだけど手ごたえのあるゲームに
- 見た目は3回作り直して、最後はスーファミ風のドット絵に落ち着いた
- 名前は、元のゲームを連想させないオリジナルの「熱闘天敵バスターズ」に
新しいブラウザゲーム「熱闘天敵バスターズ」を公開しました。カカポの里に攻めてきた天敵たちを、ホームランで追い返すバッティングゲームです。
今回も、AI の Claude と一緒に作りました。この記事では、思いつきから完成までの流れを、制作中に僕が言ったことをそのまま引用しながら振り返ります。
はじまりは「100エーカーの森みたいなゲーム」
最初に僕が Claude に言ったのは、この一言でした。
「ぷーさんの100エーカーの森みたいなゲーム作りたいんだよね」
イメージしていたのは、ホームランダービーのようなバッティングゲームです。ただし、キャラクターや絵、名前、音楽は使わず、「投げた球をタイミングよく打つ」という遊びのしくみだけを参考にして、それ以外はすべてオリジナルで作ることにしました。
世界観:カカポの里 vs 邪悪な天敵たち
次に決めたのが、キャラクターと世界観です。
「ピッチャーは邪悪なカカポの天敵たちで、打者がいつものカカポ」
「カカポの里に邪悪な天敵たちが攻めてくる世界観」
天敵には、実際にカカポを絶滅の危機に追いこんだ動物たちを選びました。ステージが進むほど強くなり、投げてくる球もどんどんあやしくなっていきます。
| ステージ | 天敵 | 投げてくる球 |
|---|---|---|
| 1 | ネズミのチュータ | ストレート |
| 2 | ノラネコのクロベエ | 速球・スローボール |
| 3 | フェレットのクネリ | 曲がる・落ちる・浮き上がる |
| 4 | オコジョのシロガネ | 消える・止まる |
| 5 | 大ワシのハースト大王 | ジグザグ・分身・瞬間移動・急加速 |
最後のハースト大王は、昔ニュージーランドにいた巨大なワシ「ハーストイーグル」がモデルです。
遊び方は「タイミングだけ」にしぼった
最初の版では、マウスで球が来る場所をねらって打つ作りでした。でも遊んでみて、こう伝えました。
「カーソルはなくてよくて、クリックかスペース打てるようにして、合わせるのはタイミングだけ」
ねらいの円をなくし、画面のどこをクリック・タップしても、Space キーでも振れるようにしました。飛距離はタイミングのずれだけで決まります。操作はかんたんになりましたが、ホームランになるのは約 0.045 秒以内のずれだけ、という手ごたえのあるゲームになりました。
見た目は3回作り直した
遊び方が固まってからも、見た目には何度も納得がいきませんでした。
1回目:立体にして、舞台を「里」に
「デザインをもっと立体にしたい。今ちょっと安っぽい」
「場所も球場じゃなくて、里にして」
舞台を球場から「カカポの里の広場」に変えて、天敵は切り株の上から投げ、奥には山や森、わらぶきの家が見えるようにしました。光と影のグラデーションで、丸いものが立体に見えるようにしています。
2回目:キャラクターをリアルに
「キャラクターのデザイン一からやり直して。もっとリアルに上質に」
動物らしい体の線や、何百本もの毛並み、目の光まで描きこみました。ネズミのオレンジ色の前歯、オコジョの黒いしっぽの先など、本物の動物の特徴も入れています。
3回目:思い切ってドット絵に
それでも、僕はまだ納得できていませんでした。
「ゲームのゲーム性はOKだけど、キャラクターとフィールドの描写が全く納得行っていない。逆にピクセル画で昔っぽくアレンジするのがどうだろう」
ファミコン風・ゲームボーイ風・スーファミ風を比べて、スーファミ風に決めました。160×214 ドットの小さな画面に描いて、ぼかさずに3倍に拡大して表示しています。
ドット絵にしてからも、「カカポが雪だるまに見える」「模様が横じまで植木みたい」「大ワシの翼がほうきみたい」と、ひとつずつ直していきました。
3回の作り直しのあいだ、ゲームのしくみ(球の飛び方や当たり判定)はそのままでした。見た目を描くプログラムと、球や当たり判定を動かすプログラムが分かれていたので、絵だけを入れかえることができました。
「バットが1回しか振れない気がする」
遊んでいて気になったのが、これでした。
「バットが1回しか振れない気がする」
調べてもらうと、プログラム上は1球に1回ちゃんと振れていました。原因は、ピッチャーが振りかぶっている間(まだ投げる前)にクリックすると、その1回を使い切ってしまうこと。そして、振ったあとにバットが約 0.9 秒も振り切ったままで、「もう振れない」ように見えていたことでした。
そこで、次の一言で仕様を変えました。
「何回もふれるようにしよう」
球が飛んできている間は何回でも振れるようにして、ただしバットが構えにもどるまで(0.4 秒)は振れないようにしました。連打しすぎてかんたんになりすぎないようにするためです。
名前を「熱闘天敵バスターズ」に変えた理由
完成が近づいたころ、気になったことがありました。
「ホームランダービーはぷーさんのパクリになるかな」
キャラクター・絵・音・名前はすべてオリジナルですが、「ホームランダービー」という名前だと、どうしても元のゲームを連想させてしまいます。そこで名前のアイデアを出してもらい、こう決めました。
「熱闘天敵バスターズにして」
タイトル画面やシェア用の文章、ハッシュタグ(#熱闘天敵バスターズ)も、すべて新しい名前にそろえました。参考にしたゲームがある場合でも、自分だけの名前と見た目にしておくと安心して公開できます。
完成してみて
完成して遊んでみて、まず感じたのはこれでした。
「なつかしさを感じた」
特にドット絵に作り直したときは、
「平成男子としてはかなりくるものがあった」
スーファミ風の画面で、カカポがバットを構えて、天敵が切り株の上から投げてくる。そんな画面が、自分のゲームとして動いています。
一方で、大変だったのは世界づくりと、ゲームの難易度です。
「世界つくりとゲームの難易度が難しかった」
世界づくりでは、カカポの里という舞台と、5体の天敵それぞれのキャラクター・セリフ・投げてくる球を決めました。難易度は、クリアに必要なホームランの本数、球の速さ、球種の出やすさといった数字で調整しています。
まとめ
- 「100エーカーの森みたいなゲーム」という一言から、カカポと天敵たちのバッティングゲームが生まれた
- 遊び方は「タイミングだけ」にしぼって、かんたんだけど手ごたえのあるゲームに
- 見た目は3回作り直して、最後はスーファミ風のドット絵に落ち着いた
- 名前は、元のゲームを連想させないオリジナルの「熱闘天敵バスターズ」に
変化球や魔球のしくみは、変化球と魔球の作り方で解説しています。


